昨日、祖母が約3週間の入院生活を終え、退院した。
親戚一同みんなで迎えたのだが、入院前と何ら変わらない容姿風貌で、
とても安心した。
3週間前、祖母は「
胸部大動脈瘤」という病気で生死の境を彷徨った。
患部の状態如何では本当に命を落としていたかもしれない。
手術直後に見舞いに行ったのだが、その姿はすっかりやつれて、言葉も
満足に発する事が出来ず、その姿は生前の姿からすればいささか衝撃的だった。
しかし伸ばしてきた手を握った時、その手は病人とは思えないほど暖かく、
力強かった。そして祖母の目はしっかりと私の目を見つめていた。
その瞬間、祖母も健在とはいえ最期の時は確実に迫っているという実感と、
だがしかし、これからずっとずっとこの暖かい手を、優しい眼差しを失いた
くない、という思いと、色々なものが頭の中を駆け巡って、涙がこぼれてきた。
私は幸いにも今まで親族の死を経験した事がない。
ただ、このとき私は一瞬でも迫りくる人間の死に遭遇するということを、はじ
めて実感したのかもしれない。
今日、祖母は元気に退院して、いつもどおり生活している。
この様子なら、まだまだいつまでも大丈夫。
おばちゃん、どうか長生きしてな・・・。